サラリーマンの方も、副業を持つのが当たり前となった時代、今持っているスキルや資格を生かしてトライするラストチャンスがいつごろでしょうか。
ズバリ30~40代です。
副業がどうすれば成功するのか、成功しやすいアドバイスを求めるとすれば誰なのか。
新たにはじめた副業が成功した人というよりも、自分が始めようとしている業種一本で食べていける人にアドバイスを求めるでしょう。
彼、彼女らは好きな仕事を本業に出来た理由を貴方に熱く語るでしょう。
『私たちのお店(講師業であればレッスン)が成り立つのは、遠くからでも頻繁に通って、ブログやインスタで好意的なコメントを書いてくれる人のお陰』だと。
言葉悪くいってしまうと『私たちの業種は追っかけでなりたっています』と胸をはっているものなのです。
それは果たして『質のよいお客様』なのしょうか。
ビジネス書の中には『わざわざ来てもらう追っかけ客を作らないと店や企業は潰れ、個人事業主は仕事が成り立たない。』と煽るものもあります。
ですがそれでは、提供するモノやコトがなくなると『追っかけ』は貴方の元から去っていきます、これでは質の良い客といえないのです。
特定のコトやモノを媒体にしてベタベタと付き合うのは質のいいお客の獲得法でもなければ人間として向上させてくれるお客さんでもないのです。
貴方のお客さんはどの様なタイプでしょうか。
企業にお勤め、個人事業主関わらず、職業柄不特定多数の人に合う方は多いです。
キャリアの始めの方は様々なお客さんとの出逢いがあるので、どのお客さんも大切にしようと心がけます。
キャリアを重ねるにつれ忙しくなり、どの取引先やお客様が利益に繋がるのが見えてしまうので、疎遠になるお客さんの方が多くなってくるのではないでしょうか。
私の家のリフォーム担当の方は『それでは出世もしないし、新たな人脈も作れない』と嘆いています。
その理由は何故でしょうか。
私はかつて某大手自動車販売会社のサービス部に居ました。
整備一貫を担当するサービスの反対が営業ですが、営業マンもピンからキリまで居ます。
今はそうでもありませんが、昔はある程度サボっていても給料が貰えると思う不届き者や、安定した法人の顧客を得て満足し、顧客開拓をしない営業マンも普通に居ました。
この会社をやめてからも、同じ会社の営業マンが家に来た事は何度かあったのですが、
『貴方から絶対に買いたくない』と思う様な人ばかりでした。
かつてタクシー会社や、大手企業などの法人営業担当だったのか、個人宅営業になれてないのが丸わかりで『購入する見込みのない車検オンリーの顧客には挨拶一つ出来ない』という有様でした。
安定した顧客に長年甘えているのはこういう事なのかと営業マンが来る度に追い返しました。そんなある時、新人の見慣れない営業マンがきたのです。
愛想はよくても、イケメンでも背が高いわけではなく、ごく普通の大学卒の営業マンでした。
ですが彼から買いたいと思う決定的な理由があったのです。
それは、彼はどのお客さんに対しても平等で、会社の状況や方針が変わっても押し売りをしないという事だったのです。
それでも彼は車検だけでもいいから入庫してほしい、と今でも三ヶ月に一回、様子を必ず見に来てくれます。
彼は現在、系列会社の支店長ですが、これはただ単に売上がよい営業マンでは支店長になれません。私が在籍していた頃にも売上のよい営業マンは居ましたが、幅広い客層を掴む人でないと支店長になれないのです。
法人の売り上げに甘んじていた方は、法人の売上がなくなった途端リストラされました。
ニッチな分野で生き残れという事を勘違いし、特定かつ安定した稼ぎが得られるお客様だけを大事にする人がいますが、案外脆いのという実例です。
支店長になった彼が教えてくれたのは、幅広く質のよい顧客を掴むことで、業界で生き残る事でした。
私の家は20年程前に、祖父の家をリノベーションしました。
近所では唯一残っていた平屋をリノベーションしたのですが、担当になったのは、その年大手住宅会社に入社したばかりの新人のHさんでした。
右も左も判らないHさんに、契約先の工務店の方が建築のイロハを教え、私の母が御礼状の書き方も教えたのを覚えています。
祖父が同居していたので、祖父と色々と話もしていたようです。
家が完成して数年後、Hさんは結婚され転勤となり、しばらく別の方が担当となるので、自分がリノベーションを担当した家に地震や火災で万が一の事があってはいけないというので、工事を担当された工務店の方に引継ぎをしてくださいました。
その後、Hさんが引継ぎをして下さった工務店の方や、新しい担当者の方に頼み、住宅のリフォームを少しづつやってきましたが、Hさんは、新人時代に建てた我が家を、何かにつれ訪ねてきて下さいました。
私は最近同居していた祖父を看取りましたが、Hさんは、風の噂で聞きつけたのか、祖父の仏壇にお参りに来てくださったのです。
20年前に新人だったHさんは部長になり、来年には局長に昇進されるとの事でした。
そんなHさんの嘆きは『最近の20代は、目先の利益につながる量重視の仕事しかしない』という事だそうです。
Hさんが大事にしてきた顧客層は、祖父や私の母の年代ですが、Hさんの後輩たちは、その顧客層を『資産も不動産も持っている絶好のターゲット』と見ているを嘆いています。
『お客様が自分の損になるか得になるか、自分の宣伝をしてくださるか、それは人生、後からついて回るものなのです。』Hさんは仰られました。
1つの家を建てる間に、人生としての学びがあり、人として成長できるのがこの仕事をしている喜びと仰られたHさんは、質の高いお客さんを獲得されてきた方ではないでしょうか。
街並みを見渡してみて、ファストファッションの店、民泊、観光客用のビジネスホテルの看板、タピオカ屋、同じフランチャイズのコーヒーショップばかり並ぶのを見て可笑しいと思わないでしょうか。
街の経済効果が上がることを考えた結果、企業や個人事業主が出店して短期間で儲ける事が出来るお店が並んだ結果が現在の街並みなのです。
これでは質のいいお客さんを集められるはずもありません。
集まるのはインスタ映えを狙ったブロガーで、彼、彼女らも、他に魅力的なコンテンツが見つかれば、街から去っていきます。それは質のいいお客さんとはいえないのです。
では街に根付く質の良い客を作る方法は、何があるのでしょうか。
次々開店する個人事業主といえば、ヘアサロンや接骨院でしょう。
集客しやすいエリアに出店する為、顧客の奪い合いとなり、競争に負けた店舗は数年のうちに撤退を余儀なくされています。
サービスを利用する立場から見ていくと、ヘアサロンや接骨院は開店当初は皆行きますが、今利用しているお店より技術が優れ料金が安くサービスの良い店舗が出来ると、お客さまが逃げてしまうのが判ります。
これは質のいいお客様を確保する事が出来なかったからです。
私が学生時代まで通った美容院と現在通っているヘアサロンを例に出してみましょう。
・はじめに
・20年前リノベーションした家に挨拶に来た部長
-貴方から買いたいと思われる営業マン
-祖父の仏壇に手をあわせに来た部長
・地元に根付く質の良い客を作る方法
-お客さま≠家族や友達、ではない
-テナント潰しと言われた物件のパン屋
-混雑時の利用は1時間と決めたオーナーの決意
・出世してからの客は何故一線を引く必要があるのか
-出世してからの客は、貴方の肩書や技量が目的
-ディフェンダーだけのサッカーじゃ面白くない
・週1.5回会う客に、質が良い人が居る理由
-週4回会う客が、いつか離れていく理由
-質の伴った週1.5回の客の見分け方
-休みの日はスマホが友達な人は要注意
・質の良い顧客を作る為に変えるべきこと
-同じ話をぐだぐだしていないか
-目指すのはバーテンダーの様な振る舞い
・まとめ